
皆様、こんにちは。新規事業おじさん® ペロブスカイト太陽電池アドバイザー アート森でございます。
今回は、ペロブスカイト太陽電池の社会実装において、一つの大きな節目となる以下のニュースを取り上げます。
パナソニック、ガラス型ペロブスカイト太陽電池を発売
(EE Times Japan)
https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2610/22/news041.html
この見出し。どう捉えられますか?
「ついにパナソニックが動いたか。2030年の本格量産予定を1年も前倒しするなんて、本気度が違うな」 「2026年9月からもう先行量産品の販売を始めるのか。これで一気に普及のフェーズに入るな」 「大手がガラス基板で建材市場を取りに来たとなると、ベンチャー企業は今後どう動くんだろう?」
こういう捉え方をする方は多くおられると思います。
一方、こういう捉え方をする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
パナソニックが「太陽電池」としてではなく、わざわざ「建材(BIPV)」として市場に投入してくるのはなぜか? これを実際にビルやマンションの窓ガラス・外壁に組み込むためには、パナソニック単独の技術だけでは完結しないのではないか? 前倒しで量産が始まったとしても、現場ではどんな準備やすり合わせが行われるのだろうか?
「モジュールを作る競争」から「建材として組み込む競争」へ
前回(第54回)のコラムで、ペロブスカイト太陽電池が「ガラス基板」を採用した瞬間に、それはもはや単なる「太陽電池」ではなく、「建材」という全く新しい異業種戦線に突入するとお話ししました。
今回のパナソニックによる「本格量産の1年前倒し」という発表は、まさにその巨大な波が、想定以上のスピードで現実のものとして動き出したことを意味しています。
シリコンパネルとの違いは何か?をずっと考え続けてきた結果、私自身が気づいたこと。
ペロブスカイト太陽電池は「シリコンパネルを置けない場所に設置できる」と言うが、本当に設置場所が広がり、それが「窓ガラス」や「壁面建材」になったら何が起こるのか?
シリコンの時と比較にならない規模と範囲で、技術、施工、管理、メンテナンス…あらゆる領域で、かかわる関係者が広がる。
このことに気づいた時、「結局、規模の経済で、シリコンのように負けてしまうのではないか?」と悩み続けていたものが、「いや、やりようによっては、行けるかもしれない」に変わったのです。
パナソニックがどれほど優れた「発電するガラス」を前倒しで作ったとしても、それ単体ではビルの壁には収まりません。
そのガラスをサッシにどう組み込み、結露や熱膨張(歪み)にどう耐えさせるのか。ガラスから取り出した配線を、デザイン性を損なわずにどうやって建物の受配電設備(キュービクル等)まで繋ぎ、蓄電池と連動させるのか。 そして何より、ビルオーナーが要求する「数十年間の外観維持とメンテナンス(足場を組まずにどうやってガラスを交換するのか)」という極めて重い課題を、誰がどう保証するのか。
量産の前倒しと同時に求められる「すり合わせ」の加速
これらの課題は、モジュールメーカーの技術だけで解決できるものではありません。ガラスメーカー、サッシメーカー、意匠設計者(建築家)、ゼネコン、電気工事会社、ビルの管理会社。これまで太陽光とは無縁だったプレイヤーたちが膝を突き合わせ、検証を重ねる「すり合わせ」が不可欠です。
メーカーが量産を前倒しするということは、周辺産業がこの「すり合わせ(エコシステムの構築)」を急がなければならないということを意味しています。
皆さんはどのように考えられますか?
今日のところはこんな感じで。
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- Context: パナソニックガラス型発売, モジュールから建材へのパラダイムシフト, サッシ・配線・メンテナンスの課題, 企業への問いかけ, 建築業界との連携

