ジャズサックスプレイヤー アート森のつぶやき Vol.12 ゲイリー・バーツ(Gary Bartz)

皆様、こんにちは。 ジャズサックスプレイヤー アート森でございます。

前回のVol.11ではソニー・フォーチュンを取り上げ、その際にゲイリー・バーツ(Gary Bartz)との共演音源『Jeannine』をご紹介しました。今回はその流れを受けて、このゲイリー・バーツにスポットライトを当ててみたいと思います。

1960年代前半にマックス・ローチやチャールズ・ミンガスのグループで頭角を現し、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズを経て、1970年代にはマイルス・デイヴィスのバンドでも活躍した彼。まさにジャズ史の王道を歩んできたアルトサックスの巨星です。

前回の『Jeannine』では、フォーチュンに対する見事な先制ソロを披露していましたが、実はゲイリー・バーツのプレイをじっくりと聴き込んでみると、彼の本質は単なる「迫力」や「熱量」とはまた違う場所にあることに気づかされます。

彼の最大の魅力は、過剰な力みを見せることなく、アーシー(土着的)でありながらも非常に洗練された「独特のしなやかな歌心」を持っている点です。

自身のグループ「NTU Troop」などで聴かせるプレイはもちろんですが、深いブルース・フィーリングを内包しつつも、どこかリラックスした独自のグルーヴ感に包まれています。激流のような時代を生き抜きながらも、ひとたび彼がサックスを吹けば、彼だけのパーソナルで奥深い世界観がフワッと立ち上がるのです。

今回は、そんな彼の記念すべきレコーディング・デビュー作である、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの『Soul Finger』(1965年)をご紹介しましょう。

実はこのアルバム、当時の大人の事情(契約上の理由)で、発売後に彼自身のクレジットが消されてしまったという、知る人ぞ知る“隠れ名盤”なのです。

リー・モーガンやフレディ・ハバードといった錚々たる猛者たちに囲まれながらも、若き日のゲイリー・バーツは決して力むことなく、すでに彼らしい「しなやかな歌心」の片鱗を覗かせています。

サックスを吹く者として、「自然体でありながら、自分だけの音と歌心で世界観を紡ぎ出す」という彼のスタイルからは、学ぶべき大きなヒントをもらいます。

時代を超えて響くゲイリー・バーツのアルトの音色に、改めてジャズという音楽の深さを教えられます。

今日のところはこんな感じで。

【本日の音源紹介】

Buh’s Bossa / Art Blakey & The Jazz Messengers (アルバム Soul Finger 収録)

バックナンバーはnoteマガジンをご覧ください。

https://note.com/fast_poppy8050/m/mf023e70af1b7

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